こんな本が届きました。
とてもシンプルだけど、丁寧に作られた本です。
装丁への心の込め方にグッときます。
表紙は白いボール紙で出来ていて(右が本)、
段ボール紙で作られたスリーブ式のカバー(左)が付いています。
このあっさりとしたデザインの潔さ、
カバーに貼られたタイトルを表記するテープの透け具合。
そして本を入れるとピタリと収まります。その収まり具合が気持ちいい。
紙や道具が好きな人にはたまらないつくりです。これこれ、という感じ。
この本を編集したのは、マスキングテープを昔から愛用し自然に使っていた、
mt誕生のきっかけともなった人。
今はもうない世田谷・経堂のロバロバカフェ店主、いのまたせいこさんです。
表紙の文字もいのまたさんの手書き文字。
いのまたさんを知っている人なら、あ!と思いますよね。
中を開くと薄紙の向こうにmtが。
こういうひとつひとつへのこだわりが、ああ、いいな、と感じさせます。
本を"読む"だけでなく、本というモノとして、手触りや色調、匂いなど、
隅々まで楽しめるように作られています。
ZINEではないかというくらい、人の手を感じさせる凝った作りです。
本を手にする楽しみが一段と増します。
内容は、mtを愛用している人々の日常が描かれているのですが、
その普通具合がいいです。
私、mt使ってるんですよー!!という押し付けがましさがなくて、
奇をてらったり、やたら凝ったことするのではなく、
みんな淡々と、普通に日々の暮らしの中で、日常に溶け込んで使っている。
そういう普通の中で、mtがあるとちょっと楽しげに見える感じが、ちらりと伺えて、
マスキングテープは本来そういうものだったなあ、と原点に戻る感じがしました。
巻末には、かつていのまたさん達が自分たちで作っていた
マスキングテープのリトルプレスを彷彿させるような、リアルに貼ったテープ見本一覧があって、
マスキングテープの楽しさを最初に発見した頃のワクワク感が戻ってくるようでした。
とてもいい本です。
これはぜひ、直接実物を手に取って、ご覧いただきたいと思います。
「マスキングテープとmtの本」
https://shop.masking-tape.jp/ec/products/detail.php?product_id=37730