東京都現代美術館の展示
東京都現代美術館へ行ってきました。
どうしても見たかった展示
「おとなもこどもも考える ここはだれの場所?」へ。
4組の作家による、美術館の中にできた「ここではない場所」の入り口に立ち、
「ここは誰の場所?」と問いかけることによって、
自分たちが生きていくために考えるべきことが浮かび上がってくる、という試み。
特に印象深かったのは、入場してすぐの展示。
まず白い床に積まれているのは、いわゆるたくさんのゴミ!!
「地球はだれのもの?」というテーマで、
プラスチックの空き瓶や筒、フタ、欠片などが、
色別に分類され、どっさりこんもり山のように積み重ねられています。
あまりにもたくさんあるけれど、色別に分けるとなんだかきれいにも見えてくる・・・
そしてカーテンをめくった次の部屋は、
わわわ!
このキラキラしたカラフルな灯りは全て、さっきのゴミたち。
衝撃的な風景です。
信じられないほど、幻想的で美しい。
この制作者は、昨年惜しくもこの世を去った、デザイナーのヨーガンレールさん。
彼の住む、本来海のきれいな島である石垣島には、
ここ数年たくさんの漂流物が流れてくるようになり、
海がどんどん汚れていきました。
それを憂いた彼は、毎日浜辺を散歩しながら、それらの漂流物を拾い集め、
色別に分類してストックしていたそうです。
このゴミからインスピレーションを得て、美しいものを生み出し、
地球環境とは何か?を改めて考えるきっかけを与えてくれています。
実際に、このカラフルな光の部屋に入り込んでしまうと、
いつまでもその場を離れたくないような、うっとりとファンタジーの世界に浸れるとともに、
現実との対比が一層くっきりと浮き彫りになって、
リアルに心に迫ってくるように思いました。
ここからひとつ進んだ先の部屋には、
ヨーガンレールさんが毎日散歩した海と、散乱したゴミの風景写真が展示されています。
一旦これらの写真を見た後に、再度戻って幻想の部屋に入ってみると、
また違った感情が生まれるのではないかと思います。
10月12日まで開催していますので、
ぜひ多くの方に見て頂きたいなと思います。
東京都現代美術館