包丁の工場見学に行ってきました!
岐阜県はものづくりの技術レベルが高い県だと思っています。
例えば東濃地域は日本最大の陶磁器生産地であり、美濃焼は伝統的工芸品に認定されています。
そしてmtのテープ部分に使われているのは美濃和紙。
1300年の歴史があり、本美濃紙はユネスコの無形文化遺産に登録されています。
さて、美濃市のお隣にある関市は刃物の町。
鎌倉時代に刀鍛冶が始まり、長良川のきれいな水と良質な焼刃土、
炉に使う松炭など、適した環境条件が整っていました。
戦国時代には武士たちに愛され、名刀の産地へ。
現在その磨かれた技術は、日本一の刃物産業の地へと躍進を遂げ、世界中で信頼されています。
今回は、関市にある刃物工場を見学してきました!
ババーン。
なんと「ツヴィリング J.A. ヘンケルス ジャパン」です。あれれ、ここってドイツの会社では!
世界的に圧倒的なブランド力を誇る名門包丁メーカーですが、なぜ関に?!
実はツヴィリングさん(以下省略します)の包丁、国内で販売しているものの9割は、
ニッポンの関で作られているのです!!驚きました。
ツヴィリングの故郷、ドイツ・ゾーリンゲンは中世より刃物の産地として栄え、関と環境も似ているそうです。
日本では1973年より製品の販売が開始され、2004年に岐阜県関市に工場が設立。
ここでは主に国内外で販売されているハイエンドモデルのナイフを製造しているのだそうです。
日本とドイツの最先端技術が集結している関工場。
日本で作られた包丁が、国内はおろか、世界中へと旅立っているのでした。
今回は、常務取締役の山田昌之さんに、工場内をご案内いただきました。
包丁の生産は昔から分業制が多く、一つの場所で全ての工程を見ることは難しいのですが、
ここでは徹底した品質管理を保つため、ほとんどの工程を一貫生産で行なっている珍しい工場です。
型抜きされた包丁の原型は1000℃で加熱し、その後ー70℃以下の液体窒素で急激に冷凍します。
液体窒素の中から出てくる、凍った包丁はまるでマジックのような迫力!!
しかし何よりも驚いたのは、工場内には多くの職人さんがいて、
一つ一つ手作業で包丁作りが行われていることでした。
こちらは焼成された包丁のわずかな曲がりを補正する職人さん。
一本一本、金槌で叩き、手作業で細かな歪みを補正しています。
こちらは取っ手を付ける作業です。
こ、これも手作業なんですね!!留め金を一つ一つ打っていきます。
ちなみにここで作業しているのは女性。工場内では女性の職人さんも数多く働いています。
繊細な作業も多いため、女性の方が向いていることも多いんだそうです。
そして、包丁の刃の付け根の部分、よーく見ると、何やら黄色いものに見覚えが・・・?
あ!やっぱり。
またまたマスキングテープの働く現場を見ることができました。
mtの原点は職人さんの仕事場。
ささやかながら、こういったプロの現場で裏方として活用されているマスキングテープを
久々に拝見できたのは、ちょっと嬉しいことでした。
本当に多くの職人さんが働いています。
手で握った時の微妙な取っ手のカーブ、左右対称に重さぴったりのバランス、
すっと自然に食材に包丁の刃が入る入念な研磨。
そして、これでもか!と行われる耐久テストの緻密さにも圧倒されました。
ツヴィリングさんのナイフは、高品質な素材と理にかなったデザイン、そして最先端の技術力に加え、
職人の手による丁寧で精巧な作業と徹底的なチェックによって成り立っていたのでした。
最後にトマトを切らせていただきましたが、その爽快感は格別。感動の切れ味です。
世界に誇れる日本の職人技術!匠の技を垣間見ることができました。
ドイツと日本のプライドがここに集結!!
これはやはり一本持っていたい、素晴らしいナイフです。
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ツヴィリング J.A. ヘンケルス ジャパン