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COLUMN
コラム 2018年10月

前回石見神楽の面工房をご紹介しましたが、

そのお面の土台に使われている和紙は「石州和紙」と呼ばれています。

技術伝承を目的に建てられた「石州和紙会館」にも行ってきました。

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和紙の材料となるのは、楮(コウゾ)、三椏(ミツマタ)、雁皮(ガンピ)などの植物。

この地域で採れる石州楮は、最も強靭な和紙になると言われているそうです。

神楽で散々激しい動きをしても耐えられるよう、丈夫なんですね。

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島根県西部で作られる石州和紙は、重要無形文化財に指定されています。

さらに2014年には、ユネスコ無形文化遺産の保護に関する条約に基づく

「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に、

「和紙:日本の手漉和紙技術」の一つとして石州半紙が記載されているそうです。

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和紙作りについて、ご説明いただいた後は、早速紙すき体験!!

私たちが行ったのは小さな枠で作る絵葉書サイズでしたが、

それでも、和紙の繊維が均等にならなくて、うまく薄くすくのはなかなか難しい。

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すいた和紙(絵葉書)は、熱々の鉄板の上にブラシを使って伸ばし、乾かします。

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みんなの作った絵葉書。

ワンポイントで様々な形に切り抜いた色和紙が入っています。

出来立ての和紙ハガキで、旅先から手紙を出すのもいいですね。

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ショップコーナーも素敵でした。

石州和紙で作られた、ノートやメモ、名刺入れやうちわなど、様々な商品が並んでいました。

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石州和紙

http://www.sekishu.jp/index.html

うぎゃあああああー

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な、な、何ですか?これは??

大集合すると、すごいインパクト!!

怖いってば!!

果たして、この強烈なお面の正体は一体・・・・?

はい、正解はこちら!

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石見神楽、という島根県石見地方に伝わる伝統芸能。

そこで使われているお面です。

石見神楽の衣装やお面は特殊で精巧な技術が必要なため、それぞれの職人がいます。

今回訪ねたのは、石見神楽のお面を作っている工房だったのでした。

このお面、実は和紙でできています。

石州和紙と呼ばれる、この地域独特の伝統工芸です。

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お面ができるまでの工程です。

石膏の型から粘土の型を起こして乾燥、そこに和紙を貼り重ねたら、

裏から叩いて粘土を壊し、お面が出来上がります。

お面は一般的に木彫りのものが多いので、全て和紙で仕上がっているというのは珍しいです。

和紙は木に比べて軽いので、躍動感ある激しい舞いが多い神楽には最適!

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みんなで、お面の絵付けをさせてもらいました。

ベースの面に、ひげや眉、口などを描き込んでいきます。

怖くない恵比寿さんでチャレンジ。

筆を繊細に動かして、ほそーくヒゲを描き込むのがなかなか難しいです。

同じお面なのに、みんな違う表情になりました。

恵比寿さんはまだ簡単な方ですが、他の登場人物やヤマタノオロチなど、

描き込むものが多いとさらに難しい!!職人の技術がふんだんに詰め込まれています。

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工房にはこんな立体の壁画が!これも全部和紙!!

神楽のお面の技術を応用して、このような芸術作品を作ることもあるそうです。

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石見神楽

http://iwamikagura.jp

プロフィール

江澤 香織
インテリア、雑貨、料理、ライフスタイルなどを中心に、新聞・雑誌・広告・WEB等でフリーライター、コーディネーターとして活動。All Aboutにて雑貨ガイド担当。
http://allabout.co.jp/living/zakka/
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