新年明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。(今さらですみません)
拳を振るう手前の銅像がちょっとシュールな写真になってしまいましたが、
新年早々、世田谷美術館で開催中の
「ブルーノ・ムナーリ 役に立たない機械をつくった男」展を観に行ってきました!
館内は撮影禁止のため、チラシとチケットのみ載せますが、
このチラシがすでにかっこいい。そしてブルーノおじさんの愉快っぷりが伺える写真。
ブルーノ・ムナーリは、美術家でデザイナー。
イラストやコラムも書いているし、雑誌の編集もしているし、プロダクトも作っているっていう、多彩なアーティスト!
題名にある「役に立たない機械」とは、実際の作品名でもあり、
宙にぶら下がるモビールのようなオブジェで、風でゆらら〜っと動きます。
色の付いた木や金属の破片のようなものが糸で繋がっており、
見る角度や動きによって、見え方が変化します。影も刻々と変わる。
作品の作り手だけじゃなく、見る人が参加することによって作品がいかようにも変化し、完成する。
ブルーノさんは、その面白さ、自分で創造する喜びを伝えたかったといいます。
展示の中でも特に面白かったのが、偏光器を使ったもので、用意された木枠を通すと、
箱の中に入っている半透明の様々な素材の破片たちが、色を帯びてキラキラする、という不思議な構造。
ここに書いても何のことか分かりにくい説明しかできませんが、
ワクワクする驚きがあるので、これは実際に体験してみて欲しいです。
どれも考えられた作品で、ブルーノさんのセンスと哲学が込められているのですが、
デザイン素人が観ても、単純に色使いがカラフルで楽しくて可愛い。
子供が喜びそうな、遊びをふんだんに交えた作品がたくさんある!
実際子供のための作品を多く作られています。
あとコラージュ作品も多いんですよね。mtを彷彿とさせる、
半透明の細いテープを何枚も重ね貼りして組み合わせた作品もあったりして。
ブルーノさんは伝統に囚われない「イタリア未来派」に属していたそうですが、
今の時代を生きていたら、どんなものを作ったかな?と想像するとワクワクします。
家に帰って本棚をひっくり返したら、昔買ったブルーノさんの本が出てきました。
デザインのスタイリッシュさに惹かれて買ったものでしたが、
今見ても新鮮であり、イタリア語が分からなくても
感性を刺激し、アイデアを沸かせるような本です。
今回の展示を見てから改めてページをめくると、また新しい発見があります。
美術館から外へ出ると、もう真っ暗でした。
木々の間に細い月が出ていて、ブルーノさんの絵本みたいでした。
世田谷美術館の展示は1月27日まで開催しているので、ご興味ある方はぜひ。
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世田谷美術館