岡上淑子さんというアーティストをご存知でしょうか?
シュルレアリスム全盛の1950年代に活躍した、フォトコラージュアーティスト。
TIME、LIFE、ヴォーグ、ハーパーバザールなど、海外の雑誌から写真を切り抜いてコラージュし、
独特の作風で、詩のような不思議な世界を創り上げました。
東京都庭園美術館で展示が行われていたので、行ってきました。
1933年竣工の旧浅香邸は、アール・デコ様式の瀟洒な建物で、
この建物の雰囲気と岡上淑子の作品が、あまりにも見事に、しっくりマッチしています。
作品と建物がすでにコラージュ状態!
まさに、ここでやるべき展示でしたね!
「幻想」と名付けられた作品。( photoスポットがありました)
シャンデリアからは手が伸び、鏡から馬が飛び出し、白馬の顔をした女性らしき生き物が転がっていて、
なんとも言葉では表現しがたい、夢の中のような異次元空間を映し出しています。
これ、たぶんヴォーグなどのインテリアページをベースに、
様々な雑誌のあちこちから、馬やら人やらを部分的に切り抜いてきて組み合わせているんですよね。
絶妙なセンス、圧倒的な世界観。
mtファンにはコラージュ好きの方も多いと思いますが、
ただもう、しばらく夢中で見入ってしまうような、凝視せずにはいられない、惹き込まれる力がすごいです。
毒とユーモアが入り混じる、ミステリアスなポエム的情景に、激しく心を揺さぶられます。
不安、動揺、恐怖、疑惑、希望、安堵、微笑、哀愁・・・
色々な感情がわっと一気に入り乱れ、観ているものを超絶な力で魅了する、衝撃的な作品たち。
4月7日までなので、ご興味ある方はぜひ!
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東京都庭園美術館