東京・青山へ行ったらちょこちょこ覗いている、大好きなギャラリーがあります。
ビルの廊下の奥にひっそり佇むギャラリー「ギャルリーワッツ」。
いつもお洒落でピリリと粋なセンスが光る、素敵な作品を展示しているのですが、
この日は入り口に何やら不思議な大きな画用紙??
中に入って驚きました。
これら全部、子供達がつくりあげたアート。
「小さなアーティストプロジェクト『わ Wa ◯』」
未就学児から高校生までが参加しているそうです。
子供達の素直な感性と、驚きの発想力、そして思いがけないユーモア。
見ていてワクワクするような作品ばかりでした。
例えばこちら。なかなかリアルなお魚です。凝ってますね。
まるで本当の生きたお魚のように段ボールに入って送られて来たので、そのまま展示したんだそうです。
愉快な陶器のお面は6歳の女の子が作った「魔法仮面」。
陶芸家のお父さんと一緒に作ったそうですが、ほのぼのとした表情がいい感じです。
これをつけるといろんな魔法が使えるんですって!
なかなか作品が作れなくて悩んでいたという男の子。
アート教室の先生に急かされ、ギリギリの時間でいきなり殴り書きが始まったとか。
主に先生への悪口(?笑)だそうですが、感情の爆発加減がよく出ていて、
どこか哲学的でもあり、文字にもあじわい深さがあります。
お父さんが照明を作るアーティストだという息子さん。5歳。
たくさんの照明のデザインが描かれていました。アートっぽさもあって上手です。
これを見たお父さんは涙ぐんでいたそうです。
こちらは17歳の高校生の作品。
お父さんは木の家具などを作る職人さんだそうで、
木の板に、木目に合わせてものすごい細かな絵が描かれています。
近づいてみると、こんな感じ。
ドキっとする様な精巧さです。
元々は夕飯の前に暇つぶしでメモ帳に描いていた絵だそうですが、この才能は尋常じゃないですよ!
本人は至って普通のサッカー少年だそうですが、周りの激推しもあり、今は芸大を目指しているそう。
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この「小さなアートプロジェクト」は、ギャラリーの前オーナーだった川崎淳与さんが始めた試みです。
ご縁のあった所沢の保育園と一緒に、子供達の作品を発表する場として、2000年から10年間行われていました。
ギャラリーでプロのアーティストや感度の高いお客様に見てもらうことで、
子供達にとっても、その親にとっても、新たな感性を開花させるいい機会であり、大きな経験になる。
それは「感性の種まき」なのだ、という思いが込められていました。
実際に、当時の子供達が海外で活躍する様なアーティストへ育っていった例もあるそうです。
川崎さんは昨年惜しくも旅立たれてしまいましたが、闘病中より、子供たちのアート展を復活させたい、
という願いを持っておられたそうです。娘の詩野さんが、それを引き継ぎ、思いを繋げました。
今回の展示はもう終了してしまいましたが、今後もこのプロジェクトは続いていくそうです。
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さて、実はまだ紹介していない、私がめちゃくちゃツボった作品があったのですが、
結構長くなってしまったので、次回にご紹介いたします。
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ギャルリーワッツ