村上春樹の小説の挿絵などでご存知の方も多いと思いますが、イラストレーター・安西水丸さんの展示を観に行ってきました。
場所は世田谷文学館。
住宅街の中にガラス張りの一風変わった建物がひょっこりと現れます。
ガラス窓に大きく貼ってある「鳩笛?」「パパイヤ?」らしき安西さんのイラストが見えます。
ちょっとワクワクしてきましたー。
商業利用でなければ館内の撮影もOKです。
本の装丁や挿絵、広告デザイン、そして自身でもエッセイや絵本、漫画を製作するなど幅広く活躍された安西さんの多彩な仕事ぶりが様々な角度から紹介されています。
絶妙にクールで洗練された色彩感覚にハッとしつつも、どこかおとぼけ感のあるほのぼのゆるい筆のタッチに癒されて、全体的に気持ちが明るくなる展示でした。
安西さんのこの言葉もいいですね。
「あなたはあなたらしくていいんだよ。自分らしく生きよう」と全肯定されている気持ちになりました。(勝手に良い風に解釈)
絵本のイラスト。かわいいなあ。
「小説現代」の目次帯に使われたイラストデザインだそうです。ちょっとマチスを思わせる雰囲気。
こちらはなんと和田誠さんとの合作。左が和田さん、右が安西さん。この絵好きです。家に飾りたい。二人で描かれた絵は他にもたくさん展示されていました。
ココファームワイナリーと〆張鶴!ワインや日本酒のラベルも描かれていたのですねー。
テレビ番組の企画をきっかけに誕生したという山梨県小淵沢駅の駅弁「元気甲斐」。全体のアートディレクションは伊丹十三、デザインは太田和彦、山本益博が料理をディレクションして東西の料亭が開発、などなどめちゃくちゃ豪華な顔ぶれで作られた贅沢な夢のお弁当。そしてイラストはもちろん安西さん!現在も販売しています。しょっちゅう小淵沢に行っていたのに全く気付かなかった迂闊な自分。次に行った時は絶対購入しようと心に決めました。
安西さんが子供の頃に描いたポスターのイラストだそうです。すでに完成度が高い!!
他にもたくさんあって、写真もたくさん撮ったのですが、多過ぎてここにはもう紹介しきれないくらい。とにかく展示作品数が思っていた以上にボリュームたっぷりです。じっくり観ていると半日くらい余裕で経ってしまいそうです。
安西さんの私物コレクションもたくさん展示されていました。旅先で見つけた不思議なオブジェや、スノードーム、鳥取の民芸品など、どれも安西さんの人柄を思わせるユニークなものばかりで、本人がすぐそこにいるような気配があり、見応えありました。
写真はブルーウィローと呼ばれる、不思議なオリエンタル模様の英国陶器。昔実家にあったよ!という方もおられるのではないでしょうか?安西さんも好きで集めていたそうです。
ところで障子の向こうのシルエットはもしや安西さんでは? 実はミュージアムの粋なアイデアで、館内のあちこちに、ひょっこりと安西さんが隠れているのです。行った方は探してみてください。
遊び心がふんだんに散りばめられたディスプレイも、今回の展示の楽しさの一つでした。
こんな顔ハメもありますよー。
展示室以外でも館内あちこちに、大きく引き伸ばして切り抜かれた安西さんの巨大イラストパネルがどどーんと設置されています。どれも可愛くてユーモラスで楽しいのです。空間に独特の雰囲気を醸し出していました。
併設されたカフェの入り口には、ご飯を食べる安西さんのイラストが!思わずクスッとしてしまいます。
面白そうという予想はあったけれど、想像以上に安西ワールドを満喫できた充実の展示でした。これをキュレーションして製作したミュージアムの人達もきっと楽しみながら作ったんだろうなあという想いがひしひしと感じられて、こちらもワクワクしながらすごく楽しめた!!
会期を延長して9月20日(月・祝)までやっているそうなので、ご興味ある方はぜひ行ってみてください。
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世田谷文学館