薬の博物館
富山県に来ました。
富山市内から車で10分くらいのところに「富山市民俗民芸村」というところがあります。
民家園のような雰囲気で、山の中の広い敷地内のあちこちに藁葺き屋根の古民家が点々と建ち、中が民族博物館になっています。
「民芸館」「陶芸館」「考古資料館」「とやま土人形工房」など、富山の人々の暮らしにまつわる歴史、文化などを伝える9つの展示施設があります。なかなか広い敷地なので、一軒一軒観ていると、1日がかりかもしれません。途中で疲れたら「茶室円山庵」で、お抹茶とお菓子をいただきながら情緒的なお庭を眺めて寛ぐのも良いです。
今回は、「売薬資料館」に来てみました。
富山では江戸時代から薬の行商が盛んでした。昔は「置き薬」という形で、薬の行商人が全国各地を回って、お客さん宅に薬を一旦預け、あとで使用した分だけ代金をいただく、というシステムでした。江戸で急病になった大名を富山藩藩主が薬を届けて救ったことから評判になり、そこから富山の薬売りが発展していったそうです。
ここには薬にまつわる道具や資料がたくさん展示されているのですが、レトロな薬用の紙袋や箱、昔の薬のポスターなどがどっさり展示されており、それぞれに味わい深いデザインで、観ていて飽きません。薬を製造する古い化学実験道具なども興味深いものでした。館内の写真がNGだったので、写真でお見せできないのが残念過ぎる。紙好きにはきっと心ときめくであろう可愛いものがいっぱいあったのです。平日はあまり人もいないシーンとした博物館でしたが、本当に勿体なさすぎると思ってしまう、紙好き、古いもの好きにはえらく刺さる展示でした。
パンフレットの写真を代わりに出しますが、この写真のチョイスも渋すぎる。実際は、もっと色々カラフルな紙ものがあったんですよー。子供用の薬とか、デザインもレトロで可愛かった。江戸時代だけでなく、昭和初期くらいまでの薬に関する資料が多々展示されていました。
こちらは紙風船です。売薬資料館を見学した人にプレゼントされていました。もともと、薬の行商さんがこのような紙風船を、お得意先の子供にあげるためにノベルティとして配っていたそうです。資料館には古い紙風船も色々なものが展示されていました。そういえば、今も富山のおみやげ屋さんなどでたまに見かけることがあります。ほのぼのしますね。
富山市民俗民芸村は、JR富山駅からも近いので、ご興味ある方はぜひ行ってみてください!
富山で見かけた風景のオマケ。
富山の街中はガードレールが特産のチューリップでした!可愛い。
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富山市民俗民芸村(売薬資料館)