マスキングテープ「mt」- masking tape -

オンラインストア

旧赤星鉄馬邸

 

東京・吉祥寺にある「旧赤星鉄馬邸」が、期間限定の一般公開をしていたので、滑り込みで行ってきました。赤星鉄馬とは明治時代の実業家で、その自邸であるこの建物は、建築好きなら誰もが知るモダニズム建築の先駆者アントニン・レーモンドが設計しています。昨年mtの展示が行われた目白の明日館はフランク・ロイド・ライトの設計でしたが、アントニン・レーモンドはその助手でもありました。登録有形文化財に認定されている東京女子大学の礼拝堂などを始め、日本にも数多くの建築物が残っています。(旧赤星邸も令和4年10月に国の登録有形文化財に認定されました)

旧赤星邸の目玉といえば、この階段のデザインのかっこよさ!外から見るとこの部分は丸い筒状の建物になっていて、そちらもインパクトがあります。ぐるりと有機的な曲線の階段とスリット状の窓から射す光が独特の雰囲気を作り上げています。無駄に何度も上り下りしてしまいました。

こちらは2階の書斎です。特に特徴的なのは、右の飾り棚の壁面が丸い窓になっていること。自然光がスポットライトのように注いでいます。すごくユニークなつくりです。

こちらの戸棚も面白いデザインで何かと便利そう。造り付け家具はレーモンドの妻であるノエミ・レーモンドがデザインしているそうです。随分と贅沢な邸宅ですね。

赤星邸は1934(昭和9年)に建てられ、戦前は陸軍、戦後はGHQに接収され、その後はカトリック・ナミュール・ノートルダム修道女会がシスター養成施設として使っていました。ところどころにそんな昔の生活の名残りが感じられるのも、なかなか味わいがあります。猫足のバスタブや、キッチンの床のクロスなんかも可愛くて惹かれます。

2011年に最後のシスターが巣立った後は使われていませんでしたが、その後武蔵野市が寄贈を受け、この建物を今後どのように使って行くか、有識者を集めて意見交換したり、市民でワークショップを開く等して、みんなで有効な活用法を模索しながら整備を進めて行くそうです。見学に行った時もたくさんのスタッフさんがいて、専門家ではないにせよ各部屋丁寧にご案内いただき、この建物が地元の人々にとても愛されていることを感じました。

庭も広々として気持ちいいです。レーモンドの設計ではないようですが、きれいな藤棚があったり、タイル製の噴水があったりして、趣があります。今後は庭を公園として整備する予定とのこと。

とてもいい建物を見せていただきました。いつかmtの展示にも良いかもしれないなーと勝手に思ってリサーチしてしまいました。春と秋に一般公開期間を設けているようなので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

—————————————————

旧赤星鉄馬邸

武蔵野市吉祥寺本町4丁目26番21号

https://www.city.musashino.lg.jp/shiseijoho/shisaku_keikaku/sogoseisakubu_shisaku_keikaku/akaboshi_tei/index.html

関連記事一覧