やんばるへ
沖縄の北部、やんばる方面に行っておりました。世界遺産にも認定された地域です。
この辺りでたくさん見かける芭蕉の畑。
この植物の繊維を使って織られる布は「芭蕉布」と呼ばれ、琉球の王様が身に付けたり、外交の貢物に使われたりする重要な織り物であると同時に、庶民の着物としてもなくてはならないものだったそうです。今でも沖縄の代表的な工芸品の一つで、着物は大変高価な品です。大宜味 (おおぎみ) 村の喜如嘉 (きじょか) という地域で主に作られており、村には芭蕉布会館があって、制作工程を見学できます。
芭蕉は布だけじゃなく、紙にも加工されます。琉球紙と呼ばれる独特の風合いを持つ紙は、今では継承する作り手も少なく、大変貴重な工芸品となっています。以前、島根で出雲民藝紙の工房を訪ねたことをここのコラムでも書いたと思いますが、その和紙職人であった人間国宝の故・安部榮四郎氏とお弟子さんたちが、琉球紙の復活にも尽力されていたそうです。mtも和紙ですが、今では貴重なものとなってしまった日本の手漉き紙の文化について、少しでも多くの方に知っていただけたらと思います。
さて、旧喜如嘉小学校を改装した一角に、お店を発見。
やんばるの工芸品を集めたショップ「山原工藝店」です。訪ねた時は陶芸品が多く展示されていましたが、ガラス、布、籠、アクセサリーなど、この地域で活動する様々な作り手の作品が販売されています。
こちらはヤンバルクイナをはじめとする、沖縄の生き物をモチーフにしたフェルトアクセサリー。ほのぼのとしてかわいい。
マスキングテープもありました!ここでしか買えない、限定品。やんばるの生き物たちがイラストで描かれ、素敵にデザインされていました。那覇から行くと、なかなか遠いのですが、やんばるは自然に囲まれた素晴らしい場所です。芭蕉の木も多く見かけることができます。ぜひ訪ねてみてください。
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山原工藝店