マスキングテープ「mt」- masking tape -

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「やりたい」をかなえる! タカラ塗料と開発した ペインタブルテープで広がる喜び

2月に開催している、バイヤー様及びユーザー様向け新商品展示会「mt STYLE」。
2025年はmtの取り組みをより深く知っていただくためのニュースペーパー「mt STYLE MAGAZINE」を配布しました。

テーマは「What is mt? mtってなんだろう。」
私たちのものづくりは、和紙+粘着の技術を活かし、誰かの暮らしとともに歩んできました。
そんな「誰か」の声ではじまったmtの新たな取り組みや商品開発について、関わってくださった方々にお話を伺いましたので、こちらの取り組みブログでもひとつ1つご紹介していきたいと思います。

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#01『誰かとmt』
粘着技術 × ユーザーニーズから生まれた新しいmt
タカラ塗料 大野一馬さん

小さなきっかけから、互いのアイデアと技術が融合し、新しい商品が生まれることがあります。ペンキが塗れる塗装下地用マスキングテープ「ペインタブルテープ」もその1つ。この商品開発はタカラ塗料の代表取締役、大野一馬さんとの出会いをきっかけに始まりました。

タカラ塗料の代表、大野さんとお会いしたのは2023年2月。カモ井加工紙(以下、カモ井)のWEBサイト内に「職人図鑑」という職人紹介コーナーがあり、大阪でタカラ塗料の社員の方に取材をさせていただいたことがきっかけでした。なんとその数カ月後にはタカラ塗料と共同開発した商品「ペインタブルテープ」が誕生するというスピーディな展開となったんです。出会いの場面を大野さんが振り返ります。

「商品開発のきっかけは、カモ井の皆さんが来社された際の雑談なんです。僕はもともと小さなマスキングテープを壁に貼って、その上から塗装して色具合を見るということをしていまして、この大きい版があればいいなと漠然と思っていたんですね。
また、工作をするときにガムテープの部分にはペンキがきれいに塗れないけれど、マスキングテープだと上からしっかり塗れるな、ということも前々から思っていました。そういったこともあり、『マスキングテープって、切ったものが売られているけど、切らずにそのまま大きい状態のものがあるといいのでは』と、その場でパッと思いついたんです。

そしたら、カモ井専務の谷口さんが『できますよ』と。大きいテープを壁に貼って、その上からペンキを塗れば壁の色を変えるアイテムとして使えるのではないか……と話が進み、その後、すぐにサンプルを送ってくださったんです。うちでいろいろ実験したら、ノリの強さとか、紙の薄さとか、マスキングテープにもいろんな種類があるんだなと気づきましたね」

いつも塗装の現場のそばにあったはずのマスキングテープ。しかし、その上に何かを塗るという目的の商品は開発したことがありませんでした。谷口も当時のことを振り返ります。
「マスキングテープは養生するためのテープであって、下地として下に潜らせるなんて発想はなかったですね。ただ、塗料が密着するというのはマスキングテープのためには大事なことですので、その技術はありました。たまたま大野さんとそういう話になりましたので、紫色の原反をワイドにカットしたものを、『これでテストしてください』とお渡ししたんです」

お渡しした幅広のマスキングテープを早速試してくださった大野さん。「下地にするには色が濃すぎる」という問題に気づき、谷口に相談します。

「大野さんから、紫色の上に薄い色の塗料を塗ったら、下の紫が見えてしまうと言われまして。もともとマスキングテープは『養生として使い、最後に外すテープ』というイメージでしたから、どれもわりと派手な色なんです。じゃあ白にしましょうか、という話になったのですが、これもまた大野さんのアイデアで、『壁の色が白い家が多いため、白だと貼れている範囲がわからず、塗料がはみ出してしまう可能性がある』ということで、薄いグレーにしてはどうかという話になりました」

白の塗料を塗っても下地のグレーが見えないギリギリの色合いを探すために大野さんも実験を繰り返し、その結果、かなり薄めのグレーを採用することになりました。その後も話はスピーディに進み、最初の出会いからわずか7カ月後、2023年9月には「ペインタブルテープ」の発売に至りました。

商品化するにあたっては技術的に難しい面もあった、と開発に携わったカモ井の山下が振り返ります。

「やはり普通のマスキングテープと大きく違うのが幅の広さです。 幅広になるぶん重くなるので、ロールからきれいに剥けなくなってしまって。巻き出しの力を工夫したことと、粘着力と剥離のバランスをコントロールしたことが設計の際に最も苦労した点ですね」

これまでに培った技術で完成したペインタブルテープ。大野さんはこのアイテムを使って、日本のインテリアに対する意識を変えていきたいと語ります。

「長年思っていたことなのですが、塗料というと日本では男性っぽいイメージがあると思うんです。海外では女性がメインターゲットで、壁の色を気軽に変えたり、インテリアを楽しんだりするために塗料が使われています。そういう文化を日本でも広めたいなと思っています。
『壁の色を変えたいけど、うちは賃貸なんです』という言葉をよく聞きます。また、持ち家でも壁を汚さずキープしたい、という方も多いのですが、そういった方たちの背中を押して、『やりたい気持ち』を支えられるのが、このペインタブルテープです」

実際に使われたお客さまからの反応もすごくいいんです、と大野さん。

「特に絵を描く人にはとても喜ばれますね。工事現場で使うような仮囲いにペインタブルテープを貼って絵を描いたという方がいたり、アートフェスティバルで壁に絵を描く際に便利だったという方がいたり。
また、ちょっとおもしろい使い方として、たとえばふすまが破れていたら、そこにペンタブルテープを貼って、上から塗るということもできます。マイナスな部分をゼロにして、さらに楽しめるんです。現在は業者さんが多く買ってくださっている印象がありますが、今後は一般の方にも広げていきたいですし、学校や幼稚園などでも使っていただきたいですね」

実際にmtのイベントでも思いきり落書きができるコーナーとしてペインタブルテープを設置したところ、お子さんたちが喜んで描いてくれました。その話をすると、大野さんがこんな話をしてくださいました。

「そういう場で、『好きに描いていいよ』と言われたら、みんなわりと小さめに絵を描きますよね(笑)。それは大きく描く習慣がないからで、大きなところに描くというトレーニングをすると、描けるようになるらしいです。そういう意味でもアート活動にどんどん利用してほしいですね。
そしてもちろん、日常生活でも楽しんでほしいです。インテリア用品ってたくさんありますが、皆さん『壁の色を変えられない』という前提があるんですね。だから意外とインテリアの幅が少ない。派手な色の家具を置きたくても、白い壁の前だと浮く場合がありますから。でも、壁の色が変えられると家具の色も冒険ができます。生活を楽しむという気持ちで、いろいろと試してもらえたら嬉しいです」

 

壁に貼って、上から塗料を塗ることで気軽に壁の色を変えられます。失敗したら剥がせ、原状回復も可能です。
mt casa paintable tape 300mm×40m/税込 ¥4,455 100mm×40m/税込 ¥1,518

 

mt casa paintable tape
特設サイトはこちら
https://www.masking-tape.jp/lineup/special/casa/paintable_tape.php

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