マスキングテープ「mt」- masking tape -

オンラインストア

マスキングテープの廃材を作品に。作品への興味を喚起することから、アップサイクルへの関心につなげたい。

#04『mt NEXT 100』
これから先の100年に向けた
廃材を活かし、新たな価値を生むプロジェクト

イヤマデザイン 居山浩二さん

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2024年6月、福井県あわら市の「金津創作の森美術館」にて、カモ井による期間限定イベント「mt ex展」を開催し、mtのアートディレクター、居山浩二さんによるインスタレーション作品を展示しました。

mt ex at KANAZ FOREST OF CREATION ART MUSEUM

 

「金津創作の森」の中の、木々に囲まれた静かな美術館。光が差し込む空間に、高さ約4メートルの、圧倒的な存在感を放つカラフルな「山」が設置されました。
「これはなんだろう?」と、まず作品に興味を持ってもらい、アップサイクルへの関心につなげたい──そんな思いをこめて作品を制作してくださったのが、アートディレクターの居山さんです。そしてこの「山」には、マスキングテープの「ヘタ」と呼ばれる廃材が使われています。
「この場所はカモ井さんが見つけてくださったんですが、立地が魅力的で、扉を開けると外の緑と空間が一体となる、とても気持ちのいい場所だったんです。天井高もあって広がりのある空間を活かすためにボリュームのあるものを置きたいと思ったとき、瞬時に頭の中に『山』が浮かびました」

 

マスキングテープの「ヘタ」

 

マスキングテープは紙管に巻きつけた長いロール状の紙をカットして作られますが、その際に発生する両端の部分は「ヘタ」と呼ばれ、これまで廃棄されてきました(現在は「heta box」として販売するほか、工場見学の際のお土産としても配布しています)。居山さんがこの「ヘタ」を5万3千個以上も積み上げて作った「山」は、直径約8メートル、高さ約4メートルになりました。 「そのスケール感に驚いてくださる方が多かったのですが、本当はもっと大きくしたかったんです(笑)。まずは素直に楽しんでもらい、その先に各自が環境問題などに思いを向けるきっかけにしてもらえたらと思って制作しました」
そう話す居山さんは、ご自身も日常生活で環境問題を意識されているそうです。 「と言っても、たいしたことはできていないのですが、たとえば過剰包装の商品を手に取らないようにするなど、生活の中で無駄が出ないように心がけてはいます。職業柄、すてきなパッケージを見るとつい手が伸びてしまうんですが、それらは廃棄することなく、資料として活用していますね」
今後も、概念にとらわれず環境問題を取り入れていきたいと居山さんは言います。 「アップサイクルという言葉に縛られるあまり、楽しくないものを作っても仕方がないですし、一方的に理想を押しつけるのではなく、いろんな活動を通じて自然に共感してもらえるような形で協力できればと思っています」

 

こちらもヘタを使った作品。関心を持ってもらうきっかけになるよう、新鮮な印象を与えるアプローチをしたいと常に考えているそう。

 

また、居山さんは「ささいなことでも何か力になれれば」と、mtが手がける災害復興支援のためのチャリティテープのデザインも続けてくださっています。
「カモ井さんからのお声がけで始めたのですが、通常商品のmtをデザインする時とは違う心持ちで取り組んでいます。被災された方々がつらい思いをされているのは当然ですが、それを見聞きする我々もつらい気持ちになりますし、みんなが少しでも気持ちが和らぐようなものをモチーフにしたいなと常に思っています。その上で、その土地に思いを馳せられるようなわかりやすいデザインを心がけています。
避難所って味気ない場所ですよね。でも、間仕切り用のダンボールにmtが貼られていたり、伝言用のボードにもmtが使われていたりすると知って、心が引き締まる思いにもなりました。せっかく取り組むチャリティーなら、1本でもたくさん売れて現地に貢献できるようなテープをこれからも作り続けていきたいです」

mt チャリティーテープ for tohoku

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◎mt ex at KANAZ FOREST OF CREATION ART MUSEUM
イベントレポートはこちら
https://www.masking-tape.jp/event/details/?id=558

◎チャリティーテープへの取り組みはこちら
https://www.masking-tape.jp/column/2022/01/19/post-2/

関連記事一覧