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津軽地方のこぎん刺し

こぎん刺しってご存知ですか?青森県・津軽地方の伝統工芸で、布に刺繍のように細やかな模様を刺す、刺し子の技法のひとつです。

こんな感じに、カラフルでとっても可愛い!

昔は藍の布地に白い糸で刺したそうですが、今は色も多彩で、商品もたくさん販売されています。青森で雑貨屋さんやおみやげ屋さんを覗くと、だいたいこぎん刺し商品が売られています。

こぎん刺しとは、津軽で寒い冬を過ごすとき、昔の人々は温かい布地を手に入れることが難しく、木綿の布地を少しでも温かくするために、たくさんの刺し子をして生地を厚くし、防寒に備えたそうです。また、布を丈夫で破れにくくするためでもありました。「モドコ」と呼ばれるこぎん刺しの模様は、一つ一つに意味があり、草花や動物など、日常の中で接する身近なものが表現されていることが多いです。暮らしでの必要に迫られながらも、様々な美しい模様を自在に組み合わせて刺すことで、日々のささやかな楽しみにもなっていたといいます。今でもこぎん刺しを楽しむ愛好家はたくさんいらっしゃいます。

このこぎん刺しの模様をグラフィックとしてアートやインテリアに取り入れ、多様に楽しめるプロジェクト、kogin.netがあります。グラフィックデザイナーの山端 家昌さんが立ち上げた活動です。

こちらは大鰐温泉にあるホテル「界 津軽」。ベッドの後ろに障子のような窓をあしらい、こぎん刺しがグラフィック的なインテリアとして印象的に部屋を彩っています。後ろからライトを当て、模様が浮かび上がる仕組みです。このこぎん刺し模様って、様々な直線を複雑に組み合わせていて、mtとも馴染みがいいような気がするんですが。

各お部屋の入り口にあるランプも、こぎん刺しが描かれています。全て違う模様です。シンプルだけれど目を引き、青森らしさが感じられるランプです。

そして、ジャーン!お風呂にもこぎん刺しが大胆に使われていました。もはや刺し子ではないですが、グラフィックとして独特の世界観を確立しています。ちなみにぷかぷか浮かんでいるのは本物のりんご。冬の季節はりんご風呂になるそうです。

このホテルで一番印象に残ったのは、こちらの廊下です。天井がガラスになっていて、そこに光が降り注ぎ、こぎん刺しの模様が影になって壁や床に美しく投影されます。時間によって光の具合が刻々と変わり、まるでこぎんに包まれているような、不思議な風景です。世界の優れたデザインを紹介する海外の雑誌『AD』の「ホテルの美しい廊下特集10選」では、世界10選の中に選ばれたそうです。

こぎん刺しは刺し子としてだけでなく、模様そのものがグラフィックアートとして、芸術性が高く、幅広い可能性を秘めた存在であることを改めて実感しました。ホテル内にはあちこちにこぎんモチーフがあるので、興味のある方はぜひ泊ってみてください。

mtとこぎん刺しは何かコラボできそうな親和性を感じるのですが・・・カモ井さん、機会があったら何かやってくれないかなー。

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界 津軽
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaitsugaru/

グラフィックデザイナーの山端 家昌さんのサイト

kogin.net

 

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