INTERVIEWインタビュー
第4回のインタビューは、設計事務所TNAを主宰する
武井誠さん、鍋島千恵さんです。
お二人には毎年mt FACTORY TOURを開催している
岡山・倉敷にあるカモ井加工紙の本社工場の
リノベーション設計を手掛けていただきました。
第三攪拌工場史料館からはじまり、第二製造工場倉庫、mt新倉庫、mt裁断棟と
年々新しい施設が完成しています。
またmt lab OSAKAも彼らの作品です。
- TNA プロフィール
- AWARDS
- 2017
- 2A asia award 「KAMOI FACTORY」
- 2016
- Record Houses 「HELIX HOUSE」
- 2015
- Prize of AIJ for Design 「JOSHU TOMIOKA STATION」
BCS AWARDS 「JOSHU TOMIOKA STATION」
RESIDENTIAL ARCHITECTURE PRIZE 「GATE VILLA」 - 2014
- Brunel Awards 「JOSHU TOMIOKA STATION」
JIA CHUGOKU Architecture Awards 「KAMOI MUSEUM」 - 2012
- AR Award highly commended 「KAMOI MUSEUM」
- 2010
- JIA New Architect Award 「FIGURED GLASS HOUSE」
- 2009
- The 25th SHINKENCHIKU PRIZE 「FIGURED GLASS HOUSE」
- 2008
- Wallpaper Design Awards 「RING HOUSE」
- 2007
- Record Houses 「RING HOUSE」
1. カモ井との出会いのきっかけは
- 大切に使われていた
ものづくりの精神が宿る場所。 - 古い歴史の資料などが、日の目を見ないままにしまってあるのを
何とか社員の皆さんの目に触れるような場所ができたらと、
設計のご依頼をいただいたのが最初のきっかけでした。 - ただ古いものを使うということではなくて
丁寧に使っているということに非常に驚かされました。
私も建築をたくさんの職人たちと作っている中で
職人がものを大切にするスタンスみたいな、
ものづくりを手がけられているカモ井加工紙さんだからこそ
大事なものを大切に使われているという印象がありました。
(鍋島さん) - この史料館の1階天井には、規則正しく穴が8つほど空いていたんです。
見た瞬間に、あ、これはマスキングテープを作る機械が
この吹き抜けから頭を覗かせていたんじゃないかということが
すぐに分かったので、この穴を活かした史料館に出来ないかと考えました。 - その穴っていうのは今この瞬間には何もないんですけど
確かに数十年前には何かがあった、
カモ井加工紙さんの重要な心臓部である機械が入っていたわけですから
その見えない当時のものづくりの心臓というものをなんとかして見せたいというか
想起させたい、そういうイメージで設計しました。
(武井さん)
2. 設計される上で大切にされている点は
- 美味しい野菜を育てる土壌のように
よい商品をつくるための環境。 - 例えば美味しい野菜を作るときに何が必要かといえば
すごく優れた種と、それを育てる優秀な農民と、
もう一つ重要なことがあるとすれば素晴らしい土壌とか綺麗な水とか太陽とかですよね。 - だから例えばこの工場に関しても同じだと思うんですよね。
素晴らしい商品とか製品を生むためには
材料もそうですし作る方々もそうですが、作る環境ですよね。 - その製品が出来上がる、ここでは工場。その空間も大事だと思っているので
私たちはそれを毎回働いている方にとっても気持ちいい場所であってほしいし
ファクトリーツアーでお越しになる方にも驚いていただきたい、
そういう風に思っています。
(武井さん)
3. mtという商品に今後期待することは
- 時代のニーズと合わさって
和紙×新しい技術で文化になる。 - 工業用のマスキングテープが、今はステーショナリーのmtになっているわけですが
私はこの先もマスキングテープと何か時代のニーズが合わさって
また新しい製品ができてくるんじゃないかと期待しています。 - もしかしたらこれって文化になるんじゃないかと思っていて。
それは和紙で出来ているっていうところも大きいと思うのですが、
これからできる未来の新しい技術とかけ合わさると
何か新しいものができるんじゃないかと思っていて、それを生み出す環境ですよね。
それを私たちが作っていくことをお手伝いできたらなと思っています。
(武井さん)