はじめて「しあわせのはね」を取り扱ってくださった、黄色い鳥器店の店主 高橋千恵さんにお話を伺いました。国立駅から歩いて3分。本当に好きなものだけを集めた、小さな空間の中にしあわせがぎゅっと詰まった、器と雑貨のお店です。
黄色い鳥器店さんについてお教えください。
2007年オープンなので、14年目になります。
国内の作家が作っているもの、自分の感覚に合ってるものだけを集めています。
お客さんが「ここに来たら贈り物が見つかる」という店にしたくてやっていく中で、品揃えがどんどん増えていきました。
絵や洋服、器などいろんなテーマで展示会をしていて、今の形になってきました。
とても素敵な店名の由来は?
店を始める数年前に、フラッと寄ったギャラリーで黄色い鳥のオブジェに出会いました。当時はそういったものを作ってる方がいなかったんです。だから自分のお店にはちょっと変わったものを置きたいと思って、それがお店を始めるきっかけになり、黄色い鳥器店と名づけました。
西村くんとの出会いは?
礼くんのお母さんは高校の同級生です。私たちは出身が静岡なのですが、ずっとクラスが一緒で。こういうことを礼くんが考えたから、協力してくれないかって。最初は、ちょっと見てほしいって送ってきたのかな。
静岡の知人がグループホームのような施設をやっていて、そこで作ってもらったのが始まりじゃないでしょうか。お母さんが入られていたのかな。認知症の方も社会参加することで、元気になったり、物忘れが改善されたりするそうで、そういうのいいよね、って。
プロジェクトについて、いろいろとアドバイスをされたそうですね。
最初はパッケージの中に羽が収まってたんですけど、収まってると羽が見えないから、フタを開けてひっくり返した方がいいよ、とアドバイスをしました。試しにお店に置いてみることになって、もう1年以上経つんじゃないですかね。
それからmtを使うのなら、ちゃんと作っている会社に連絡をした方がいいよと。礼くんとは小さい頃にしか会ったことなかったのですが。
その後、京都の工房リーフさんから始まって、作ってくれるところも今では4つか5つくらいあるのかな。販売するところも増えていくといいですね、かわいいから。センスがいいんですよね、色合わせとか。一応、ピンク系、黄色系、と色をなんとなく分けて作ってと、頼んだりはしています。うちのは緑を多めにしてね、とかね。
販売されていて、お客様の反応はいかがですか?
障がいのある方が作られたっていうと、みんななんとなく買ってあげようとするから、そういったことはあまり言わずに販売しています。なぜかお母さんじゃなくて、一緒に来た子どもたちが買ってくれるんです。不思議ですよね。
歌をうたう方がコロナになってライブがないから、自分の曲をCDに焼いてそれに羽をくっつけて販売する、ということもありましたね。このインタビューを読んで、私のお店でも売りたいと思ってくださったら嬉しいです。
ラッピングのときにも、これを1つつけますよって言ったら、みなさんすごく真剣に選ばれます。
贈る人にあった色を「ピンクがいいかな」など選ぶのは楽しそうですよ。
mtさんからテープをご提供いただいてから、バリエーションが増えてすごくかわいくなった気がします。選び甲斐がありますね。うちはこんな風にストックしていて、ここにスタッフがちょっとづつ補充しています。
黄色い鳥器店さんにぴったりのラッピングですね。
ぴったりすぎるかなって最初思ったんですよ、鳥に羽、って。でも喜んでくださるからいいんじゃないですか?笑
商品として売れなかったら、ラッピングで協力しようと思っていたんです。
これをたくさん使ってあげたらどんどん仕事になるだろうから、なるべく店でギフトに使うようにして。ギフトはよく出るから、結構消費をしているんですよ。
贈り物の目的はいろいろで、結婚のお祝いとか、お引越しも、新築祝いもあるし、お誕生日など幅広いです。
今までは小さいのしかなかったんだけど、大きい羽が最近できたから大きいギフトにつけています。小さいのもつけるとかわいいですし、結構目立ちます。アクセントになりますね。
マスキングテープは他にもラッピングでよく使います。なぜか集まっちゃうんですよ!工業系のテープも黄色いものをラッピングの時使ったりしています。
このプロジェクトがどんなふうに続くことをイメージされていますか?
売ることよりも、作る人が楽しんでくれてたらいいな。売れないと意味がないけど、あまり売れすぎて作る人が苦しくなるほどはやらないほうがいいと思うんですよ、だからほどほどに、この羽の良さを伝えたり、少し背景も説明する必要もありますね。
高齢者や障がいのある方がが作るから買ってよじゃなくて、社会参加のために作っていることをちゃんと伝えて、大事にしてくれるお店に広がっていくと嬉しいです。作る人が苦しくない程度に売れて続いていくことが大切だと思います。
「しあわせのはね」ももちろん丁寧にやらなきゃいけないんですけど、正確に、というよりもちょっと心に余裕をもって作れるようであればいいですね。
これを受け取った人の気持ちとかを話し合いながら、機械的じゃなくて人間らしい作業としてやっていただけていたら嬉しいです。
私たちも作ってる人のことを考えたりします。どんな風に作っているのかなとか、この人はハサミの切り込みが少し甘いな、とか。でもそれもまたいいじゃないですか、人によって違うのが。すごく細かい人もいるけど、すごいざっくりしている人もいるし、そのうちそれがいいなって思えてきました。手仕事だからこそ個性を感じて、見えないけど人の存在を感じます。作るのは自分がやろうとしたら結構大変な作業ですよ。
しあわせのはねの魅力はどんなところですか?
礼くんのお母さんがある程度ガイドラインをまとめて伝えていると思いますが、なんか最後はその人の個性が出るというか、自由度を認めてるところも残して、それが楽しいですよね。鳥の羽だって色々あるんですから。
そこが機械的だと温もりが伝わらないですよね。できるまでにいろんな工夫をしてくださっていると感じると、1枚1枚が愛おしく思えます。
最後にお店で取り扱いたいな、という方にメッセージをお願いします。
あんまり押し売りもしたくはないのですが、作ってる人が社会参加できるものを自分の店で売るのはやっぱり楽しいことだと思うんですよ。誰かのためになるということ。単に作業ではない仕事を作る手助けになるっていうのは楽しいです。
お客さんにも多分その楽しさを感じてもらえるから、だったらラッピング開けてもこの羽は置いておこうとか、みなさん本のしおりにしてくれてたり、子どもが大事そうに持って帰るんです。そんな風に伝わっていくって嬉しいなと思います。
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黄色い鳥器店さんでラッピングに使っていただく際に、店頭で「どの色にしますか?」とコミュニケーションが生まれていて、贈る方も「じゃあこの色で」と選ぶことを楽しまれている様子がとても印象的でした。羽を付けたプレゼントを誰かにあげて、「これ、かわいいね」と想いが繋がっていくのは、すごく素敵なことだと実感しました。ご協力いただき、本当にありがとうございました。
黄色い鳥器店
東京都国立市北1丁目12−2
TEL 042-537-8502
http://kiiroi-tori.com/