取材当時、まだ高校生だった京都在住の西村礼くんから「しあわせのはねプロジェクト」の企画書が届きました。
アトリエ ペルポンディキュレールという屋号で活動されている西村くんは、mtをつかって「しあわせのはね」を作り、高齢の方や障がいのある方に「アートをプラスした手仕事」を通じて生きがいや社会とのつながりを感じる仕組みづくりを考えていて、私たちに協力してほしいとのことでした。京都でお会いして以来、彼の取り組みに賛同し、プロジェクトがはじまりました。
今回はそんな西村くん、そして関わってくださっている工房リーフさん、黄色い鳥器店さんにお話を伺いました。
このプロジェクトを始められるようになったきっかけをお教えください。
幼い頃から母が手紙を出すときに、この羽をマスキングテープと針金で作っていろんな人に送っていたんです。
この前、3年ほど前に祖母がちょっと身体を崩してしまって、足腰が弱くなってしまったんですけど、まだ手先がすごい器用だったんで、なんかそういう時間がたくさんあったんでマスキングテープで羽を作ってみたらどうだろうかと。
小さいときからマスキングテープに親しまれていましたか?
いつもマスキングテープが家にありました。母と一緒に羽も作ってたんです。母は手紙もいっぱい書いていて、その都度この羽を付けるので、祖母に作ってもらうように頼んだところ、すごく楽しかったみたいで。それを祖母が通っている施設にお願いして、その後、国立にある、黄色い鳥器店さんで取り扱ってもらうことになったのが、このプロジェクトの始まりでした。
黄色い鳥器店さんとはどういった繋がりですか?
店主の高橋さんは母の幼馴染です。このプロジェクトについて説明をして売ってもらえないでしょうか?と話したところ、快く引き受けてくださいました。
カモ井さんにお送りした企画書も、高橋さんにもちゃんとお話してはじめたほうがいいよ、とアドバイスを受けたことがきっかけで、それでテープを提供いただけることになって。やっぱりテープを提供してくれたからこそ、いろんなところに紹介できたと思います。
企画書をつくって交渉するとき、どんな気持ちでしたか?
初めての経験でした。まずメールを送ったんですけど、返信がきてすごい!って驚きました。すごくいいプロジェクトだ!なんて自分でも思っていたので、これを思いついて広げていくためには、カモ井さんと繋がれたらいいなと思ったので連絡しました。mtは柄がたくさんあっていいなと思っていました。
工房リーフさんとの出会いのきっかけは?
まずは、祖母の施設からはじまって、その後工房リーフさんへとつながっていきました。おばあちゃんの施設でスタッフさんが減ったこともあり、羽を作ることが大変になってしまい、それだったら京都で広めてみようかなって。京都のいろんな施設に問い合わせたところ、今の工房リーフさんと出会いました。
最初、僕と母で説明をさせてもらって、みんなこれならできるんじゃないかって。
コロナのせいで仕事も減っていて、新しい仕事も来なくてすごい大変で、僕たちの提案を喜んでくれて。早速やってみようということになりました。
工房リーフさんは元々は袋詰めとかの作業をされているのですが、「しあわせのはね」は手仕事なんですが、少しアートをプラスして、そういうところがみんな気に入ってくれたそうです。
実際作っていただいて、どう感じられましたか?
作られている方々は、みんなとコミュニケーションを取るのが苦手な方が多いそうですが、羽をつくるときは、まず針金を切って、テープを切って、貼り合わせて、切り込みをハサミで入れるっていう風に、工程が何個もあるんですけど、羽を切るのがうまい人、テープを切るのが上手い人、そういう風にだんだん分かれていって、みんなコミュニケーションをとれる取れるようになったという話を聞きました。それがすごく嬉しかったです。「しあわせのはね」は受け取るだけでハッピーになれる、とてもいい商品だなと思います。
マスキングテープは素材として使われていていかがですか?
使いやすいと思います。ハサミでも簡単に切れるし、粘着力も貼り合わせて、失敗してももう一回やり直せますし、本当に使いやすいと思います。
ストライプの柄を貼り合わせるとチェックになったりとか、1つ1つちょっとずつ違うのがいいと思います。
将来の夢はありますか?
アメリカの大学へ進学しますが、学科は決まってはいなくて、とにかく今はアメリカへ行ってみようと決めました。
僕は研究者とかじゃなくて、何か人と関わる仕事に就きたいと思っています。何をしたいかっていうのは今探し中ですね。
人と関わることって、嫌な人もいると思うけど、今回交渉したり、行動してみて、大変さも楽しさもよく分かりました。
この記事を読まれる方に最後に何かメッセージはありますか?
何か身近にあることで人助けに繋がるってことに気づけたのが、すごく面白いなと思っています。だから続いていくといいなと思います。
しばらく日本を離れてはしまいますが、母に託して、いろんな人が関わって施設に広がっていったらいいなって思っています。アメリカでもmtさんのテープが置いてあるそうなので探してみます。
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西村くんとの出会いから「しあわせのはね」プロジェクトに大変共感し、大切なことに気づかされました。
今後はmtのイベント、また直営店mt labの東京と大阪に商品として置くだけでなく、ギフトラッピングに羽をつけてお渡しする予定です。売るだけではなく、伝えることがこのプロジェクトの意義ではないかと感じています。mtを通じてしあわせを届ける、素敵なプロジェクトに参加させていただいています。
アトリエペルポンディキュレール
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